ジャパンブルー

出藍の誉れ
藍は、藍よりい出でて藍よりも青し、の藍の話である

蓼食う虫もずきずき、(蓼は、苦いのでこお言う)
その蓼科の藍の葉を発酵させたものを、すくも と言う

藍の色素のインディゴの中に藍の還元菌が眠る
この菌は、ph10から11の強アルカリの中でしか生きられない
そこで灰汁(あく)と菌の栄養分として ふすまの煮たのと石灰で環境を整え足りない温度を足し
この菌が目覚め還元することで染液になるのを待つ

自然だし、誘い出しと言う、地獄建とも言うが、この呼び方好きではない
これがジャパンブルーの染液の仕込みのあらましだ

ジーンズの色素と同じインディゴではあるが
この場合は、科学建てだ、ハイドロで還元し染液をつくる反応が強くインディゴブルーのみの色彩となる

自然出しは、菌の力で染液を産み出してもらうので
反応がゆっくりであり、多用な反応が加味される

インディゴは、還元することで液体となる
色は、茶色だ、酸化すると (空気に、ふれること)
個体にもどりその色がブルーなのだ

自然だしと、科学建てでは、染液の茶からして違う
明らかに、自然だし、の方が複雑で色が深い
ジャパンブルーの魅力は、
沢山の色の奇形によるところが多いと私は、確信する
インディゴブルーをはじめインディゴバイオレット
、イエロー、、ブラウン無限の色がブルーに表情を与える、染色液のご機嫌しだいだ
しかも、その奇形が色を濁さない
(管理を間違えるともちろん濁る)

暑い日で染液に、力がみなぎるとき
紫色が底光りする、美しい

ムラ無く一様に染まるわけがない
相手は、生き物なのだ

思い出す光景がある
ジャケットの生地を藍染めの糸でそれも、無地を織ると言うのだ、濃ければまだしも、ムラの見えやすい色調だ

おっかなかった先輩が色ムラが消えず泣きながら
織る姿がありありとよみがえる


あの、生地は、彼女だからこそ織りおうせたのだ

怖かった先輩のあの、懸命で一途な、涙が、今は、いとおしい

皮膚感覚

宇宙飛行士を五感が閉ざされた部屋に入れると
訓練、学問、資質で選抜された優秀な人間であるにもかからず
自分の存在を確かめるために5分で自傷行為が始まると言う

小中学校などで
自閉しょうの生徒さんが、足をバタバタさせたり、たたいたり、足の裏を確かめるように、打ち鳴らしている様子によく出くわした
何故か足が多かった
自閉しょうは、皮膚感覚が著しく弱い場合があると最近知ったのだが、
あの、
いてもたってもいられない様子が解った気がした
かなり長い間温めていたのだが
あれは、強い刺激で自分の足の存在を確かめていたのでは、ないか

頭から遠い足は、より皮膚感覚が獲にくいのかもしれない

で彼らの気持ちを代弁してみる
足があるのか不安で不安で仕方がない
確かめずには、いられない
足をバタバタして確かめるとほっとする

皮膚感覚が弱いってはじめて想像してみた
想像がつかない 彼等の、奮闘の深さに愕然とする

感覚に、人間は、思った以上に支配
されているんだ

人は、人を五感で感じる
人は、自分をも五感で感じているのだ
では、IT画面に写る人間は?
ITでしていることは、情報の受け渡しであって
コミュニケーションでは、ないことを
彼等の、生きるための奮闘が
私に、教えてくれる

解ることの、可能性

自閉しょうの、中学二年生だったか男の子のはなしだ
スペシャルオリンピックスの地元での練習にボランティアで参加していたことがある、
そこで、出会った

彼は、言葉のコミュニケーションは、難しかったが自分を、消して観ていると
状況と、折り合いをつけるために色々やっていた

彼は、音に過敏だった
陸上のスタートピストルの音に動けなくなってしまう
二どめ、耳を手でふさいでスタートライオンにたった、やはり動けない
何週間かたったあとのスタートの練習で
スタートピストルと、同じような音をだして
体いっぱい抗議をしているように見えた
スタートは、きれない
その様すがきのどくで
彼の気持ちを代弁してみた

僕が、走ろうとスタートライオンについてるのに
どこで、なにが、突然に、こんな勘に障る、ばかでかい音出してるんだ
怖いから真似しておんなじ音だしてやる

自閉しょうは、視野が一点に絞られる場合が多い
ので、音をだしている物の正体が見えないんだと
当たりがっいた

トラックの周りの高台で練習する機会があった
トラックで、スタートピストルが使われている
遠いので音の、刺激は、弱い

彼をトラックの良く見える場所に連れていって
ホーカスが当てやすいように、シッカリ指差して

あそこの白線に選手が並んでるでしょ
その横にピストル持ってる人いるでしょ
あの、ピストル見ててごらん
あれがなったら、選手走り出すよ
あれが怖い音の、正体だよ

何度も、繰り返した、
最初は、音がなると、ビクッとしていたが
彼は、いやがらなかった

スタートピストルの、音を克服するのに時間は、かかった
彼は、スタートピストルでスタートできるようになった耳を塞ぐことなく

普通に考えればいいと思った
解らない不快なものは、怖い
当たり前だ
解らないこを、理解することは、可能性の扉を開くのかもしれない

私のしたことゆえかは、知るよしもない
しかし、彼の有り様は、私に、静かな感動をくれた
違っていたとしても、彼がスタートをきれるようになったことは、嬉しい、それで充分だ
彼を、おもんばかることは、楽しかった

文明の進化と生物としての人間の進化

人間の前頭前野は、
人間と対峙するときにしか働かない
スマホをはじめとするITには、働かない

前にも書いたが、
前頭前野は、人間の脳と言われるほど
著しく大きい

人間の最大の恐怖は、人間なのだ
その人間と関わるために進化した脳なのだ

ゲームがやめられなかった経験は、ないか
スマホをいじっていて、寝たいのに、やめられなかった経験は、ないか
面と向かっては、言えない影口を、ラインでは、
書けてしまった経験は、ないか
相手が目の前にいたら、言えない言葉を気遣いなしに書き捨てたことは、ないか

ITの進化に前頭前野
進化が間に合っていないのだ

前頭前野の機能に情動の制御がある
思考、創造、コミュニケーション、意思決定
行動の抑制、etc.がある

スマホ使用時には、動かない
ITが人間の前頭前野が機能するよう進化するのか
目の進化のように前頭前野の爆発的進化が起こるのか
前頭前野は、使わなければ強くならない
このまま、ITに、支配される未来にあまんじるのか

人間は、いまさらITを手放しはしない
スマホゲームで遊んでいるとおもっているかもしれないが、遊ばれているのだ
ラインで、コミュニケーション、違う
情報の、受け渡しでしかない

スマホ、ITとは、そういう道具なのだ
強い意識をもって、使わなければならない

若者よ、恋をしょう
前頭前野を強くするためにも、
めんどくさい、人とのコミュニケーションこそが
文明の進化を制御する可能性なのだから
文明の進化は、人間のためにあってこそふさわしい

珠玉の対談

文春文庫から出版されている
宮本輝の道行く人たち
と言う対談集がある
そのなかの、作家、中上健次との対談が美しい
色々読んでは、いるが
私にとって対談では、これ以上のものは、ない

始めに断っておくが、哲学としての宗教には、興味は、あるが 信仰するきは、ない

中上氏の悪戦苦闘しても晴れない人生においての闇が対談によって明けてゆくのだ

学ぶことによって浄化してゆく中上氏の様が美しい
正に、珠玉の一編だ

いじめの鬱憤ばらしなど、この、恍惚に比べたら
屁にも劣るつまらないものだ

若人よ、大人のまねをする必要は、ない
何故贅沢をしない
安いもので、自分を満足くさせる
わからないかもしれない、でも
贅沢をする、一歩として、手にとっては、いかがか
わからないのなら、わからないことと一緒にいればいい
心をけちるな、安いもので満足させてしまっていいあなたでは、ない
自分の価値をやすく見積もるな
あなたの持っている一秒は、伸びゆく一秒だ
あなたを震わせる美は、ある
いじめてる暇があるならアンテナを高くはれ
あなたが、美しくなる瞬間が見たい

自律のたね

人は、一人に一つ自律の種を握りしめて、生まれてくる
君が、しないと決めたら
力ずくでない限り、だれも、君の小指いっぽん動かすことは、できない
水一口飲ませることもできない
君がすると決めない限り、誰も君を動かすことは、できない

まさに、それこそが、自律の種を握って生まれてきた証だ
嫌だなと思いながら宿題するのも君だ
偉いと、自分を、誉めていい
誰がなんと、言おともすると決めたらすればいい
自律のたねを握りしめて生まれてきた君の人生なのだから


ソーシャルレファレシングは、心して与えた


私よ
都合よく、未来の人を飼い慣らしては、いけない
自律の種を大切に育てるのだ
日々自律の種は、成長しているのだ

思い道理になろうはずもない
十年先すら読めぬ私なのだ
心しろ

迷うと何時も思い出す

ダウンしょうのお子さんを、母親は、
こと細かく教え育てた
その子は、まわりが羨むほどに、成長した
就職もできた
ある日、母親が突然なくなった
その子は、ご飯を、食べなさいと指示してくれる人を亡くした
その子は、飢え死にをした

君の人生なのだ、私の人生ではない
君の問題なのだ、私の問題ではない

幸せになって下さい
がんばれ

丸木美術館とであって2

丸木美術館の横には、都幾川が下って行く
足を入れると爪先が少し濡れるほどに浅い

小さな小さな石が敷き詰められた川底は、水がとおした光を細かく乱反射させて穏やかだ

美術館をでると、たいていは、川縁に降りた
川面の優しさに、つかの間、心を預ける
弱い心には、ありがたい一時だった

美術館の向かいの奥まった所に、家があった
丸木夫妻のお住まいか

ある時、川縁から振り仰ぐと、その家の前の小さな草ッ原に呉座ををひいて、七輪に鉄瓶をかけ、
絵を書いていらしたのか、丸木ご夫妻がおられた
少し肌寒かったが、お日様がそれをおぎなって
なんとも、おかしがたい長閑な光景だった


数年後、丸木美術館を訪ねた時
発電機の故障で電気がつかなかった
原発の電気は、使わないと自家発電していたのだ

入館をあきらめて、川縁に降りた
あの、長閑な鉄瓶のゆげと、ご夫妻の姿を思い出した

闘っているのだ

夫妻の長閑な光景は、深く美しく、尊い

丸木夫妻が鬼籍に入られて久しい
今を、なんと感じられてるのだろうか