私は、将棋、囲碁の対局を見るのが好きだ

囲碁に至ってはル-ルさえ知らない

駒を、石を置く神経の通った指に見惚れる

チェスでは、ダメなのだ

握り込む指に魅力を感じない

ずっとなぜかと不思議でならなかった

箸とフォ-ク

というか

より指先に神経がやどるのが囲碁であり将棋

なのだ

チェスは、フォ-クににている

4本のギザで食べ物を指し貫く

力技である

チェスも揺るぎなく握り込む

力技である

将棋、囲碁の指し指に時を引き締める魔法が宿る

美しいと思う




マムシ指という素晴らしく使える指の形がある

指先が大きいのだ

感度か良く、力が宿る

働く指なのである

この指がこごった糸を解いているのにであった

なんと心強い指か

存在感が半端ない

ナタや斧や備中鍬を握り込むその指は、美しい

使える指だ

ピアニストがマムシ指だったら

強弱自由自在に違いない

是非にも聴いてみたい

深い音は、より深いに決まっている

何故かこの歳になるまで出会えていない


この指に抱かれた子供は、さぞ心地良かろう

この指に起こされる老人は、

さぞ、心強く安心であろうか

人に優しい指でもある




それに引き換え

私の指は、使えない、美しくもない

ツンツン指だ 平凡な指だ

シワと節くれでこの頃多少

見られるようになってきた

棋士の指に見惚れ

マムシ指に憧れる


平々凡々な指だからこそ

憧れと敬意のもとに

密かな楽しみを持っている