梅しごと

そろそろである

梅しごと

元気なときは、何キロか買って

梅干しをつくった

今流行りの塩分控えめのフルーティな

梅干しを良しとは、できなかったからだ

たとえ、3つ食べるところを一つにしてでも

昔ながらの塩のきいた梅干しが食べたかった

血圧と塩分の関係にも疑問の声が

出だしていたので断行に及んだ

懐かしい思い出である


今の、梅しごとは

青梅を5つ6つもらってきて

安い蜂蜜の瓶の中へ洗って投入

以上である

梅がシワシワに小さくなり

香りが蜂蜜に移り

確か蜂蜜の色も飴色をおびる

てな頃合いにて

梅入り蜂蜜ひとすくい、水で割って

暑気払いという寸法である


青梅には、毒がある

アルコールの分解機能を持たぬ私が

梅酒の梅を一度だけ美味しいと食べたことがある

京都のこじんまりとしたお店だった

火照る顔で青い梅には毒があると思いながら

環境と時間が毒を旨みに変える

不思議が妙に引っかかった


木の芽時は、苦手だ命を吸い取られそうな

勢いに辟易とする

梅もとうのたった勢いの抜けたあたりが

優しいのだよ