年寄りは死ななきゃなおらない!

私の祖母は、明治産まれだ

すでに鬼籍にはいっている

細くて小さいが

戦争さなか産婆として子供を取り上げ続けた人だ

真っ当な人だと思っている



老いとは残酷なもので、

そんな人でも徘徊がはじまる

私は、まだ10代だった

あの頃は、ボケは、精神科の範疇だった

何を言われているのか理解出来ない祖母が

言い放った

年寄りは、死ななきゃなおらない

その時から考え続けている自分がいる


もう五十路の坂を越えた

病をかんがみれば

すでに、老いらくの域にある


文明と感情と天然との狭間を

祖母のように生きている

今がある