西部邁さんの自殺幇助に思う
二十一世紀の高瀬舟だ
簡単では無い人間の営みに
法律は、ぶっきらぼうだ
苦痛から逃れる、どうでもいい自身から逃れる
何もはじまっていない子供の自殺とは、
わけがちがう
達観がある
息をしている事が正義か
死する事が悪か
生ききる事こそが正義だ
生ききるための自死が
この学者には、正義だったのだろう
だからこそ、手を貸した人間がいる
百歳寿命と言われる昨今
現代の高瀬舟に他ならない
金が物言う世の中
私などは
人間といえども、文明に飼い慣らされた
経済動物にほかならない
そのことわりの中で、生き切ることを目指す
治療法が増えるほどに
生ききる事が難しくなる事を痛感する
文明によって選択肢が増えることは
人間を幸せにするのだろうか
人間が成熟する妨げになりはしないか
漠然とした不安がよぎる