エイやぁ!の資質

五十有余年も生きていると

小金もちになるチャンスは、幾度かあった

金が1g 1000円前後であた時代を知っている

どう考えても安いと理解出来ていた

余剰金もあった

でも世間の金なんかという風潮に抗えなかった

私には、エイやぁ!

が足りない


リ-マンショックの時鉄道会社の株を

350円で買った

株主優待のチケットを亭主に姑に渡せと言われた

流産もあって姑の甘言がうとましく

早々に売った


若かった、感情に流されなければ

我が子の

大学の学費をまかなえたはずである

己の器量の無さにほかならない

が私の持ち物で我が子にしてやれることは、ある

救いである


贅沢せずに蓄えたものを

当然の権利としてふんぞり返る我が子に

疑問を感じながら

死に金だとしても我が責任であると

あきらめてつぎ込む


でも私にとって一番悔やまれるのは、

原爆の図を描かれた丸木夫妻の奥様

丸木俊さんの個展に出会った時だった

ご主人の丸木位里さんは、

すでに鬼籍に入られていた

25才位だったか

後先考えなければ欲しい絵が買えたが

我がものとする エイやぁ!

が足りなかった

自由が利かない今、あの絵があったら

楽しかろうと思ってみる



博才 いや小心ものなのである


小さな幸せちょいと膨らませて

塩梅よく納得するのがせいぜいである


それで、いいとも思っている




それにしてもいやな、時勢である