政教分離

まだ若かった頃

大英博物館でエジブトのミイラを見た

いにしえのかなたでは、ひとかどのお役目を

果した人物だっただろうに

2体だったか3体だったか

棺に入った状態で並べられていた


酷い姿だった

安らかとは、程遠く

まさか、イギリスで見世物になろうとは、

あくなき生への憧憬か

あわれを感じた


その時、思った事を鮮明に思い出す

魂って何だ?

という事だった

もし、魂に質量があるのなら

質量保存の法則よろしく

魂は、保存されるのだろうか


魂に質量があるという人がいる

生きている体重となくなった後とでは、

僅かに死後の体重が減る

それが魂の質量だと


骸は、セミの抜け殻のようなものか

二度と魂は、宿らない 見ればわかる

なら、ミイラとなるほど骸に執着する

必要もあるまい

人は、自ら建てた虚構の世界を

生きるものなのだ

そのために、文明を進化させ

文明の産物である実態の無い

金の為に戦争もする

それは、エジプトのミイラの延長線上にある



ミイラとの出会いが

自分の骸は、天然に帰すという信念を

私にさずけた


たとえ魂に質量がないとしても



輪廻転生、見果てぬ夢

観念では、解決出来ない問題が山ずみだ

観念に酔いしれる暇わない

観念は、正しさを歪める





政教分離

宗教が選挙を支配する