スプレーを使わない美容室

目医者の近くに美容室を見つけた

こじんまりした店で

若い男の子(美男子では、決してない)

が一人で営んでいる



注文にあたって

言うことは、決まっている

皮膚が強くないので

カットのみで

髪が薄いのでボリュームを出して欲しい

顔の大きさをカバーしてほしい

前髪は、つくらず後ろへながす

年相応

後は、煮るなと焼くなと

まな板の上の鯉である

気に入らねば二度と行かない


凹凸のメリハリでボリュームと

小顔をそれなりに実現してくれた

満足である


普通だと最後のブロウでスプレーやらなんやら

をほどこされるが

彼は、それをしなかった

カットに自信があるのだ

最後に聞いた

スプレーとか、使わないのですね

彼の答えに唸った

美容師のスタイリングになってしまうから

要は

自分の髪を自分で整えるカタチに

仕上げてくれるのだ

若いのに、若いから?

しっかりしたポリシーに敬服した



家に帰り、頭を触って観る

襟足に切り残しがある

下を向かされなかったのだ

襟足を整理する電気シェーバーも当てられなかった

おしい、余りにも残念すぎる

もう一度行って最後黙って下を向こうと思う

贔屓にするかは、その結果にする