面構え
凄味のある面構えに、
とんとお目にかかれなくなった
政治家はとくに、妖怪になってしまう
もっとも、凄味のある面構えと妖怪とは、
紙一重と言えなくもないが
その一重がとてつもなく超え難い
田中正造が議員時代の写真と谷中村の戦いに骨をうめると覚悟を決めた後の写真での面構えが絶妙だ
谷中村に入る前の写真を子供達は、怖いと表現する
方や入ったのちの写真は、穏やかだ
子供達は、やさしいと表現した
林竹二の仕事だ
地位だ名誉だ外聞だを背負った面には否応なく
虚栄が宿るのであろう
晩年の正造の面構えには、それが無い
損得勘定抜きに自身の信ずる正しい道を突き進む姿は
マザーテレサにも通ずる凄味のある面構えだ
何とも、ゆばあばの息子か?
推して知るべしである
為政者の奢りか、帝王教育の儚さか
凄味の面構えには、程遠い
自国の国民は、健やかか 幸福か
限りある命で何がしたいというのか
ヒットラーの様に後々の世まで汚名を着たいのか
凄味のある面構えの人間に
命尽きる前にお目にかかりたいものだ