美しい肖像画

私が、心底美しいと思う一つが丸木美術館にある、
丸木俊さんが姑のスマさんをえがいた肖像画

順路をたどり出口に向かって左側に受付があり、絵はがきや画集が売られていた
その横に出口があって、そのみぎにある壁に埋め込まれた柱にその絵は、かけられていた
その右に順路への入り口があった
顔を右にふると
まことに、あんばいのいい場所にそれは、掛けられていた

出会って、直ぐに美しいと胸震えたわけではない
目が離せなかったのだ

外国の芸術家が原爆の図をはじめとする
丸木夫妻の一連の作品における人の肉体描写は、
ミケランジェロのそれに、匹敵すると絶賛している文章を見たことがある
その人間描写を担当したのが俊さんだとかなりあとになって知った

あの、肖像画には、俊さんのスマさんに対する深い尊敬
と、なんて可愛い人なのかという思いが溢れている

この年になって尚更、この、絵のもつ美の深さに
心震える