解ることの、可能性

自閉しょうの、中学二年生だったか男の子のはなしだ
スペシャルオリンピックスの地元での練習にボランティアで参加していたことがある、
そこで、出会った

彼は、言葉のコミュニケーションは、難しかったが自分を、消して観ていると
状況と、折り合いをつけるために色々やっていた

彼は、音に過敏だった
陸上のスタートピストルの音に動けなくなってしまう
二どめ、耳を手でふさいでスタートライオンにたった、やはり動けない
何週間かたったあとのスタートの練習で
スタートピストルと、同じような音をだして
体いっぱい抗議をしているように見えた
スタートは、きれない
その様すがきのどくで
彼の気持ちを代弁してみた

僕が、走ろうとスタートライオンについてるのに
どこで、なにが、突然に、こんな勘に障る、ばかでかい音出してるんだ
怖いから真似しておんなじ音だしてやる

自閉しょうは、視野が一点に絞られる場合が多い
ので、音をだしている物の正体が見えないんだと
当たりがっいた

トラックの周りの高台で練習する機会があった
トラックで、スタートピストルが使われている
遠いので音の、刺激は、弱い

彼をトラックの良く見える場所に連れていって
ホーカスが当てやすいように、シッカリ指差して

あそこの白線に選手が並んでるでしょ
その横にピストル持ってる人いるでしょ
あの、ピストル見ててごらん
あれがなったら、選手走り出すよ
あれが怖い音の、正体だよ

何度も、繰り返した、
最初は、音がなると、ビクッとしていたが
彼は、いやがらなかった

スタートピストルの、音を克服するのに時間は、かかった
彼は、スタートピストルでスタートできるようになった耳を塞ぐことなく

普通に考えればいいと思った
解らない不快なものは、怖い
当たり前だ
解らないこを、理解することは、可能性の扉を開くのかもしれない

私のしたことゆえかは、知るよしもない
しかし、彼の有り様は、私に、静かな感動をくれた
違っていたとしても、彼がスタートをきれるようになったことは、嬉しい、それで充分だ
彼を、おもんばかることは、楽しかった