丸木美術館とであって1

丸木美術館は、埼玉県、東松山市にある

小学四年の時、ラブホテルを縫って都幾川
ほとりを目指した

はじめて、原爆の図 とであった
おそろしかった


ある時、丸木位里さんのお母様である
スマさんの絵が順路の最後に加わった

そのことで、
人間への絶望だけではない、
生物の人々の再生をも見せてくれる美術館となった

スマさんの絵は、原爆の地獄を味わってもなお
花は、根をしっかり大地に突き刺し
鳥は、羽ばたき 鶏は楽しげだ
馬は、めぐる茎に実る瓢箪と踊る
ねこは、母ねこの懐に丸まって団子をつくる
私の目は、母ねこの目と出会う
確かな息吹だ

スマさんは、字を読めぬ書けぬ、そういう時代に生きた人なのだ
ましてや、絵を学んでいるはずもない

しかし、その絵には、ちゃんと生命が宿っている


生きるために、何千何万かいと土に鍬をいれ
植物の根を土を、ミミズを、空気、水、野山、太陽、ねこ、人 、 生きんがための全てを五感で六感でみきわめてきた人なのだ、広島の大地で

自然には、無限の色が調和する
生きるための眼差しが、絵を書くためだけの学びを
しのぐ


スマさんは、画学生に殺されてしまう
絵を書く学びの苦しさに、評価されない絶望に溺れ
スマさんの、奔放な生命力があふれる絵の力が見えなかったか
教育とは、何か この学生さんがあわれでならない

スマさんの、絵は、死してなお21世紀に生きる我々に学びの本質を突きつける

絵は、人間のためにある